真夏の夜1時。


ふと暑さに目が覚めて床に足をつく。

ひんやりと冷たい感覚に、もう昨日のことになってしまったことを思い出した。



どす黒い赤の中に冷たくなった部下たち。

ボンゴレ本部に帰ってきてから泣きながら見たツナは、もう動かない部下たちに静かに頭を下げていた。



…ツナ、大丈夫かな…




ぼんやりとここまで考えて、喉の渇きに気づいた。


廊下に出て食堂へ向かう。


窓から見える空には無数に輝く星とそれらに囲まれる月。

雲一つない綺麗な空だった。









食堂について喉を潤す。

そしてなんとなくリビングのほうへ目を向けると、庭へ出られる窓のカーテンが風で揺れている。



窓、開けっ放しだったかな…?


窓を閉めに行くと、かすかな物音。



それは感情を押し殺すように泣く、ツナだった。


縁側のようなところに座って、いつもはみんなが憧れる大きな背中は小さく、震えていた。




その背中があまりにも痛々しくて、「…ツナ」


思わず声をかけてしまった。



「梨奈…」



ツナはゆっくりと振り返る。
頬に伝わる涙を拭うことなく、ただ静かに涙しながら空を見ていた。



私は何も言わず、ツナの背中にもたれて座った。



「…」


「ツナ、」


「…ん?」


「今、何を考えてるの?」



ツナと同じように空を見上げながら訪ねる。



「…空が綺麗だなぁ、って
昨日あんなことがあったのに、何もなかったように晴れ渡って…なんかすごくイライラする」


背中合わせで座ってるからツナの顔は見えないけど、なんとなくどんな顔してるのかわかった。




「…ツナはおっきいよね」


「?」



いきなり話始めた私にツナは首を傾げるけど、気づかないふりして話を続ける。



「大空と言われてるだけあって、ファミリーを優しく包み込む大きな心がある
…まるで今の空みたい」


「俺が、部下が死んでも悲しんでないって言ってんのっ!?」


ツナの声が剣のある、尖った声になる。


「違うよ」


私はツナを落ち着かせるため、背中を離して、


「ごめんね、そういう意味じゃないよ」


後ろからツナに抱きついた。






「梨奈、離し「私には今の空が、無理に、頑張って微笑んでるように見える」…!?」


ツナの背中に頬をもたれて。


「私には、たくさんの星がボンゴレの部下たちに見えるの」



さっき思い出した、昨日の、死んでしまった部下たちに頭を下げるツナの周りにはたくさん部下たちがいた。



「空は、自分が泣くとたくさんの部下たちが不安になるのを知ってるから、無理に、頑張って微笑んでる」


「…っ」


ツナの背中はまた震え始めた。


「…部下たちの前で泣けないからって、一人で泣かないで
ツナには、隼人も、武も、了平も、恭弥も、ランボも、クロームと骸も、


…私も、


いるでしょう?」


少しでも多く、この想いが伝わるように、抱きしめる力を強くした。





ツナの前にまわった腕に何かが触れたかと思ったら、それはツナの手で。


ツナは自分を抱きしめてる私の腕を解くと、私のほうへ体を向けた。



「そうだね、…ありがとう」



痛々しく微笑んで、キスをした。

涙の味がした。






最後訳わからんですね…
書き進めていくうちになんかどんどん違う方向へ(-.-;)








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