気づきと変化

「ねぇ、凜佳
最近なんかおかしくない?」


昼休み、友達が言った。


「?…何が?」


たこさんウィンナーをつつきながら目線だけ向けて。



「なんか…話してても上の空、みたいな」


「そうかな…」



たこさんウィンナーはそろそろしょんぼりし始めた。



仕方ないな、
食べてあげるよ



そんなこと考えてる自分がおかしくなってふっと笑うと、はしでつまんで口に持って行く



と、友達が


「…凜佳、好きな人できたてしょ」



って。





「…へ?」



頭が真っ白になる。




すき、スキ、…好き?



あ、
凜佳たこさん落ちたよ

なんて言ってるけどもう右から入って左から出る、みたいな





「え……、うええぇぇぇぇっ!?」


「うるさい」



さっ、と口をふさがれた。



「ふむっ!?」

「沢田くんたちがこっち見てるでしょ」



あ、ホントだー

…って、何で沢田くんが出てくるの!?



「…プハッ!
何でそこに沢田くんが出てくるの!?」


それじゃまるで、私が沢田くんのこと好きみたいじゃん!

一応声を潜めて。



そしたら友達が、

「だって、凜佳、沢田くんばっか見てるし」

だって。



いつもだったら全力で否定する私だけど、



「…そうかも」



なんか納得しちゃった。



…わ、

自覚しちゃったら
なんか恥ずかしくなってきた!
いま顔、絶対赤いよ!



両手で頬を包んで俯いた。



「凜佳、耳も真っ赤」


笑う友達の言葉なんて
気にするかっ!



* * *



「…でですね、10代目」


「…」


「10代目?」


「…ツナ?」


「……」


ツナ!


「わぁっ!?…武、何?」



耳元で呼ばれてハッとする。



「いや、獄寺が話してたのにツナが聞いてなかったからな…」

「うそっ、ごめん!」


「イエ、大丈夫っす!!
あちらに何か気になるのがありました?」



2人とも目線を俺が今まで見ていたほうへ向ける。



「…女子?」


「上田だな」



見事に当てられては内心どきっとする。



「あ、うん
…何つついてるんだろうと思って」


「……」


「…そうだな」


2人は何か言いたそうな顔をして俺を見てたけど気づいてないふりをする。



そのまま3人、しばらく見ていると、


ふんわりと、上田が何かに向かって微笑んだのが見えた。

時間が止まったかと思った。



そしてお弁当箱からウィンナーをつまんで食べようと、口へ持って行く



が、いきなり上田の動きが止まっりウィンナーがポロッと落ちる。


それでも動かない上田の顔は真っ白で。



どうしたんだろう、と

3人、首を傾げて見ていたら、


「え……、うええぇぇぇぇっ!?」



上田が叫び始めた。



友達に口を塞がれ何かを言われた後、チラッと俺のほうをみたような…?



その上田の顔が少し赤くて、胸が苦しくなった。







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