この恋が恋であるうちに [ 7/11 ]
先輩の話を聞いた日から先輩と俺の関係は少し変わった。
同じように追いかける俺と、
俺を避ける先輩。
それはあの後の話だった。
「…先輩、
俺は先輩が好きです」
「沢田くん、ごめ
「俺、諦め悪いんです
先輩が振り向いてくれるまで、諦めませんから」
腕の中にいる先輩は大きく身じろいだ。
「…だめ、だよ
甘えちゃいそうになる…」
「甘えればいいじゃないですか」
「そんなの、
沢田くんに悪いもん」
「悪くないです」
先輩は俺から離れて。
「…私が嫌だから、だめなの
ちゃんと忘れられたら、沢田くんのところにくるから
だから、しばらく時間をちょうだい?」
そう言って目の端に残ってた涙を拭うと、歩き出した。
いつもの柔らかい雰囲気のなかに、凛としたしなやかさがあった。
あの日からもう14日たち、もうすぐクリスマス。
たった2週間、
そう考えるのは簡単だけど、
先輩と会えない2週間は、
とても、とても、とても、
長かった。
[*prev] [next#]