惹かれる [ 2/11 ]









「ツナはいいよなー
完璧で」

俺が高校に入ってからよく言われるようになった言葉。



最初のころはそう言われるのが嫌で仕方がなかったけど、言われ続けるともう何も思わなくなって挨拶のようになっていた。

それに高校のときの俺は冷めていて、明るく人気者の俺の中には、何にも感じない俺がいたんだ。








でも、あるいつもどうりの昼休み。

そんな俺を変えた人がいた。



「ツナはいいよなー
カンペキで」


…たしか、1年生から告られた後だった気がする。

また同じ様に言われた。


いつも俺が曖昧に笑って受け流して終わり、なんだけど…



「最初から完璧な人なんていないよね」



ボソッと聞こえた声。

見てみると3年生の女のセンパイだった。


今のって、俺に…?


それは、センパイがすぐに友達としゃべり始めてしまってわからなかったけど。



まっすぐに凛と歩く後ろ姿が、なぜか忘れられなかった。




思えばもう、このときからセンパイが好きだったんだ。










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