「おはやっぷーっ」


「…お、おはやっぷー?」


「んもう、ノリが悪いわねー」

「…え、あの、…えっ!?」




* * *





朝、あの月宮林檎から電話があった。

時間かかってもいいから事務所に集合、と。


シャイニング事務所に林檎ちゃんが所属しているのは知っていたけど、事務所の中で一度も見たことがなくて少し驚いた。

友達の中には、日向龍也から電話がかかってきた子もいたみたいで、すごいとこに所属してるんだな、と実感する。



電話が終わるとすぐ準備をして家を出た。
あたしは家が近いから事務所に一番乗りかと思ってたら、もうすでに翔くんは来ていた。

林檎ちゃんと龍也さんの手伝いをしていて、忙しそう。



「おはようございますっ
手伝います!」



翔くんが運ぼうとしていたテーブルを反対側を持って持ち上げる。



「おっ、梨唯、サンキュ!
来るの早いな!?」


「いえいえー
家近いんだー、あたし
翔くんこそ早いじゃん」


「あー、まぁな」

「てか翔くん、今日は男の子なんだね」


「唯は事務所公開してないんだよ」


「あ、そっか
なんか新鮮だなぁ
かっこいいね!」


「かっこいいとかお前…っ」


「おーい、そこ二人
喋ってないで早く終わらせるぞ」


「はーい」
「すみません」



龍也さんに注意されて翔くんと目を合わせて笑うと、黙々と準備をし始めた。


そしてしばらくするとみんなぞろぞろと集まってきて、ちょうど準備が終わった頃にはもうみんな来ていた。









「…てか集まらせといてまだかよ、社長」



いつまでたっても社長さんが現れないから事務所はだんだんと騒がしくなっていく。

翔くんがしびれを切らしてそう言ったときだった。



「グッモーニーンッ!」


「うわっ!?」



翔くんが寄りかかっていた壁がぺらっと紙のようにめくれて社長さんが飛び出した。



「へんな登場すんなよ!」


「皆サン、よーく集まってくれましたネー」


「…無視かい」


「何かいいマシタかー」


「何も!」



リズムよく会話する二人。

翔くんは男の子の格好で来ることなんてないから、集まったみんなはなんで翔くんが社長さんにそんな言い返せるのか不思議みたいだ。

でも、唯ちゃんのときによく話すとしてもなんか親しすぎるような…気のせいかな?









←|
top

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -