「今日皆サンに集まってもらったのはー、パワーアップするためデース
最近の皆サンの活躍はスバラシイと思いマスがーこのままではダメダメねー
というわけでー、今日は事務所全体を使ってみんなでかくれんぼしまショウ!」



パワーアップ?
かくれんぼで!?

社長さんが独特の口調で今の言葉を一息で言い切ると、後ろに用意されていたテレビがついてカウントダウンタイマーが映し出された。



「時間は2時間
鬼はワタシと龍也サンと林檎デース
隠れる時間を差し上げますのでー各自ペアを作って隠れてくだサーイ
ペアとは一心同体デース
では、スタァァートォ」



え、まって
スタート?はやくない?
説明が全然足りてないよ!



「おい、梨唯っ
ペア組もうぜ!
てか早く隠れるぞ!」


「う、うん!」



展開が速くてみんな動けてないなか、翔くんはすぐに対応するとあたしの腕を掴んで走り出した。














「ちょ…しょ、くん、はや、」


廊下をこれでもかってくらいの速さで走る翔くんに、一生懸命ついていくけどもう足がもつれてしまいそう。



「あ、わりっ」


「うっ!」



いきなり翔くんが止まって、あたしは止まりきれず翔くんの背中に激突する。



「いたいー…」


「わりぃ、わりぃ大丈夫か?」



赤くなってそうな鼻をさすっていたら翔くんも心配そうに上からさすってくれた。



「あー、ちょっと赤くなってるな
背中にはそこまで衝撃なかったんだけど…お前軽いな」


「軽くないよ、重いよ…
それより、社長さんってよくこんなことするの?」


「あぁ、いつもいつも、付き合わされるコッチの身にもなって欲しいぜ…
まぁ、するからにはちゃんとしたいから全力出すけどな」



はぁ、とため息をついた後、いつもの笑顔を浮かべて言った。

翔くん、ころころ表情が変わるな…



「あたしも!
するからには全力でする!」


「おう!頑張ろーぜっ」



手をぎゅっと握りしめて翔くんに言えば翔くんも同じように拳を握って言う。



「目指せっ、打倒社長さんー!」


「おーっ!」



二人、廊下で腕を突き上げて声をあげる。

途中でかくれんぼ中だということを思い出して声のボリュームは小さくなっていった。



「じゃあ隠れよっか!」


「いいトコ見つけないとな!」





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