その後、





気づいたら、知らない場所にいた。


床も白い
壁も白い
天井も白い

何もかも真っ白な部屋だった。



──?

ここは…、どこ?




「菜乃佳、」


後ろから、


あったかくて、柔らかくて、
大好きな人の声。



「ツナっ!」



振り返れば人のいい笑顔を浮かべて、菜乃佳を見つめてる。


自然と顔が綻び、ツナに駆け寄った。


──でも、

フッと、伸ばした手に触れるはずだったツナの体が、


突然、消えた。



「え…?……ツナ…?」



周りは変わらず白。

どこを見ても、ツナの姿はない。



「ツナ…どこ?
…ツナ……ツナっ」



何の色もない、白だけのこの部屋が不安を煽った。



「……っ」









***




「……さん、
…菜乃佳さん、」




「───!」



ガバッと、弾かれたように飛び起きた。



「菜乃佳さん!大丈夫ですか!?すごいうなされてましたけど…」



ぼやける視界の中見える、テンパの男。


今まで夢を見ていたことが理解出来ないまま、呟いた。



「…ツナ、」


「え?」


「…ツナは?」


「……」



テンパの男、──ランボは苦しげに顔を歪めた。



「…菜乃佳さん、
ボンゴレはもう──…」



あ、その先は言わないで

聞きたくないの
受け入れたくないの



その菜乃佳の願いはランボには届かなかった。



「…亡くなったじゃないですか」