深夜2時。 私がいるかを確かめるように置かれてる手をどけ、静かに体を起こす。 隣を見れば、安心したように寝息を立てる綱吉 ──私の、暗殺のターゲット。 私がここにきて2年。 綱吉の恋人の位置について、ずっと機会を狙ってきた。 綱吉がいない間に忍ばせていた拳銃を手にとると、綱吉の頭に向ける。 「…莉奈」 ふいに綱吉が小さくいった。 聞こえないくらいに、小さく。 ビクッと体を震わせて綱吉を凝視しても静かに寝息をたてるだけ。 寝言…? その声音はどうしようもなく優しくて。 なんで今呼ぶの? なんでそんな声が出せるの? なんで私は、…泣いてるの? 「…っ、…ふ……つな、よしぃ」 好きなの 大好きなの …愛してるの 殺すなんて できないよ… |