君の隣で カーテンの隙間からきらきらと朝日が入り込む朝。 菜乃佳は息苦しさで目が覚めた。 「…水」 カラカラに乾いた喉は、かすれた声しか出さなくて。 被っていた布団をめくって、床に足をつく。 ひんやりと床の冷たさが気持ち良くて、靴も履かずにしばらくボーっとしていた。 (…頭いたー……なんか体もだるいような…) どれだけそうしていたのか、 自分の体に違和感を感じながらも、みんながいるであろう食堂へと足を進めた。 ふらふらする足で踏ん張り、いつもだったら10分もかからない道が今日は20分もかかった。 …やっとついた はぁ、と熱のこもった息を吐き扉を開けて、中へ入っていく。 そこには綱吉、獄寺、山本、ランボがテーブルについて朝食をとっていた。 今日のご飯サンドイッチだぁ… クラクラする頭でそんなことを考えると、一番近くにいたメイドに水をもってくるよう頼み、その声にランボが気がついた。 「あ、菜乃佳さん、おはようございます」 「おはよ」 「菜乃佳にしては起きるの遅かったな!」 「なんかお前顔赤くないか?」 「そうかな…?」 少しみんなと他愛もない話をしていると、 「……菜乃佳」 菜乃佳が来てからずっと思案するように菜乃佳を見ていた綱吉が、不意に口を開いた。 「んー?」 動かすのもキツくなった視線をゆるゆると綱吉に向ける。 「熱、あるだろ」 「え?、う…」 そ、 最後の一文字を言う瞬間、頭がクラッとして。 そのまま崩れるように意識を手放した。 目を閉じる直前に見えたのは、3人の慌てた顔と、綱吉が駆け寄ってくる姿だった。 ← → |