君の隣で






菜乃佳の寝ているベットの横、綱吉は低い机とイスに座って菜乃佳の手を握りながら書類処理をしている。



いつも書類処理をするときに使う、最低限必要な物を揃えると3人にお礼を言って書類を渡したのが、4時間前。



昏々と眠る菜乃佳の荒かった息は規則正しくなり、少しはよくなったみたいだ。







「…ん」


微かに声がしたかと思うと菜乃佳はボンヤリと天井をみていた。



「菜乃佳」



「あ、ツナ…?…あれ、菜乃佳?」



朝起きて、


食堂行って…



それからどうしんだっけ…?




そんな菜乃佳の思考を読んだかのように綱吉が言った。




「菜乃佳、俺達の前で倒れたんだよ」



「…そっか、なんか頭がクラクラして……ツナが助けてくれた、よね?」




よくわかったね、綱吉が驚くと



「なんかね、ホントに幸せな夢見たの
きっとツナのおかげだよ」



嬉しそうに、顔をほのかに赤らめて、笑う菜乃佳。



手も繋いでてくれたしね、

繋いでる手を菜乃佳が持ち上げてキュッと握り返して。





この笑顔があるなら、俺はどんなことでも頑張れる。

感謝とか、愛しさとか、幸せとか、想いを込めてキスをした。