優雅な空の旅




ただいま優雅に空の旅。


快適な機内、高級感あふれる雰囲気、そしてまさに両手に花、といえるくらいの美形男子ふたり。



そんなものたちに囲まれているわたしはウハウハ…


じゃない!



「あの…これって、どこに向かってるんですか?」



「イタリアにあるボンゴレの本社だ」



ですよねー


ホントはなんとなくわかってたけど!
でもそんな、当たり前だろ、みたいな顔で言ってほしくなかったよ!!




「あと30分で着くのな」


「えっ!?まだ乗ってから10分も経ってないじゃないですか!」



…しまった!
普通に反応しちゃったよ



「…お前、考えてることが顔に出てんぞ」



「えっ!?」



わたしは慌てて頬を手で包む。

…いつからだろう?



「『ただいま優雅な空の旅。』から」



心のなかを読んだような獄寺さんのタイミングにびっくりすると、



「だから、顔に出てるって」



笑われてしまった。



…そんな前から顔に出てたのか
恥ずかしい




自分でも顔が赤くなっているのがわかる。





「千架って素直そうだもんな」


「いや、全然素直なんかじゃ……」



…ん?




「…わたし、名前教えましたっけ?」



「んや?千架のこと、調べたのな」



爽やかな笑顔で衝撃的な言葉が発せられた。




ええぇぇぇっ!!?



「ウルセェ!」



「すいません!」






「でも!
わたしが電話をかけてから15分くらいしか経ってませんよ!?」



うん、そうだよ
いくらボンゴレといっても、有名でもなく、その他大勢の中の一人の私の個人情報が簡単に分かるわけな…



「ボンゴレはすごいのな」


「ボンゴレなめんじゃねぇ!」

…ボンゴレべた褒めですか、
おふたりさん



はい、そーですね
すごいですね


もうまともに相手するのが疲れてきましたよ



へっ、と諦めたように笑ってどこか遠い目をしていると


「おっ、見えてきたのな!」


山本さんが外を見て嬉しそうに言った


私もつられて外を見て驚いた
屋敷から庭から門まで、もう何から何まで大きくて、高級感が溢れていた。




なんだこれ〜〜!?




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