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・年齢 20歳以上
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興味がある方は、
この番号まで!
090-****-***


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いつも通る道の掲示板に貼ってあった、新しく見る紙。



「ボンゴレって…」



わたしは手にもっていたケータイを見る。


そのケータイの裏側、下の端に彫られているVONGOLEというロゴ。



「このボンゴレのこと…?」



『ボンゴレ』
世界中に展開する、巨大企業会社で、食品からゲームまで、ありとあらゆるジャンルに手を出しては成功を収めているとても有名な会社。
2、3年前まではそこまでなかったけど、10代目社長、沢田綱吉(たぶん日本人?)になってからすごい勢いで成長した。
その沢田綱吉は、使えない部下はすぐ切り捨てるとかで、冷酷・非情と恐れられて、『狼王』と呼ばれるようになっていた。




わたしが住んでいるここ、日本でも、ボンゴレの名は知れ渡っている。


もちろん、沢田綱吉の名も、『狼王』と呼ばれていることも。


「千架、どしたの?」


一緒にいた友達が止まった私に気付いて近寄ってくる。


「見て、これ
何かのいたずらかな?」


「え〜、じゃあかけてみなよ、その番号に」


「えっ、やだよ〜」


ホントかウソかもわからないのに…


「…じゃあジャンケンしよ!
負けた方がこの番号にかける
ほら、最初はグー、ジャンケンポン!!」


友達はわたしの返事も待たないまま始めてしまって。



「負けたぁぁぁ!!」



これだけは絶対に負けたくなかったよぉ



「早く〜」

チクショウ、人の気も知らないで!





「…うー」


せめてもの抵抗に、唸りながらしぶしぶ、一個ずつ番号を押していく。



プルルルル…プルルルル



友達は目をキラキラさせて。


楽しそうだな、おいっ!






ケータイを耳にあてながら願うは、これがウソでありますように!




そんな願いもむなしく、
「はい、ボンゴレ会社ですけど」





(出たんだけど!どうしよう!)



びっくりしすぎて耳からケータイを離してしまった。



(とりあえず間違えましたって言っちゃえ!)



(わかった)


気を取り直してもう一回ケータイを耳につける。


「あの、「とりあえず、今からそちらにボンゴレの者を向かわせますね」え?いや、そうじゃなく「では、少々お待ちください プツッ、プー、プー、プー、プー」…え?」


無機質な機械音と固まるわたし。



「ねー、どうなったの!?」



友達がガクガクと肩を揺らして。



「今からここに来るって…」


「え、ウソっ、…でもボンゴレの本社ってイタリアでしょ?」

「そっか!じゃあこないよn

バリバリバリ

…何の音っ!?」



突然の騒音にわたしの言葉がかき消された。



爽やかな青空が広がる頭上何メートル、飛行機よりは小さいけど普通のヘリコプターと比べると、とてつもなく大きなジェット機が。


よく見ると、ケータイと同じロゴがはいっている。
つまりVONGOLE。



「っ…来たぁ!!」



そのジェット機から何かが下りてきたかと思うとそれは徐々にでかくなってきて。



わたしの前にスタン、と降り立った。



「…お前か、電話してきたやつは」

「おい、獄寺、そんな最初っから突っかかってったら相手が怖がんのな」



獄寺?と呼ばれた銀髪の人と、黒髪短髪の人。




…かっこいいんですけど!



「はい!こいつが電話しました!!」



て、おい!
何言ってんだよ、コノヤロウ!



「…そうか」

「サンキューな」



友達にお礼を言うと、わたしのほうへ寄ってくる。



「え゛」


獄寺さんは無表情、黒髪の人はニコニコと。



「やだ!…こっちく、んっ!?」


口塞がれた!



そしてそのまま黒髪の人に担がれて、いつの間にかジェット機から近くに梯子が垂らされていて。




「はふへて〜!」



友達に助けの手を伸ばしても、


「行ってらっしゃーい」



帰ってくるのは、呑気な声だった。







裏切り者〜!!!!!




そうしてわたしは、半ば強引にジェット機に乗せられた。




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