ジュピター
愛を学ぶために孤独があるなら
意味のないことなど起こりはしない
ふと聞こえた流れるような歌。
「…それ、何の曲?」
気持ちよさそうに歌っていた花梨は、きりのいいところまで歌ってから答えた。
「木星だよ」
「いい歌だね」
「うん、歌詞が好きなんだ!
…ツナ聞いててね」
そういうと、花梨はもう一度歌い出す。
私たちは誰もひとりじゃない
ありのままでずっと愛されてる
望むように生きて輝く未来を
いつまでも歌うわ
あなたのために
澄んだ歌声は自然と心に響いて。
「…」
いつの間にか頬に涙が伝っていた。
「…ツナ、私がいるからね
辛いときは、泣きたくなったときは、嫌になったときは、
言わなくてもいいから、私のところにおいで」
「…うん、」
…花梨は知ってるのかもしれない
俺がしようとしていることを
…ごめんね
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未来編の10年後ツナですね
自分が死んだように思わせる作戦に、これでいいのか、と悩んでいるときのツナのイメージです