告別式
パンッと乾いた銃声は、本部にいた全員の耳に届いた。
抗争があれば、嫌でも何度も耳に入ってくる音。
他のと変わらない
そう思いたいのに、この胸騒ぎはなんだろう。
「…っ」
ボスのところに行きたい
あの柔らかい笑顔を見たい
早く、確かめたい
すぐ、走り出す。
迫ってくる敵も撃ち放たれた銃弾も、お構いなしに走る。
どんなに体が傷ついても、痛みを感じなかった。
「ボスっ!」
白蘭と対峙しているボスを見てほっと息をつく。
でもその瞬間、白蘭の持ってる銃がボスに向けられたのが見えた。
とっさにボスの前に被せ立った。
ニヤリと笑った白蘭
場所を入れ替わろうとするボス
全てがスローモーションに見えた。
パンッと同じ音が響く。
そして私は倒れて、また同じ音が。
次はボスが倒れた。
このときは、
あぁ、結局何も出来ないまま死ぬんだと思ってたけど
あとになってから知った。
あたしとボスが受けた銃弾は、仮死弾だったということに。
告別式
一度は貴方との別れを覚悟しました
…続きます(_ _ ゙)