苦手克服





「やだ!絶対やだっ!」


「何でだよ!?
別に味しないだろ」


「味とかじゃなくて食感だよ!何このフニャって感じ!
気持ち悪い〜」


「はぁ?
それがナスだろ」


「だから!
それがヤなの〜!」





昼、食堂で繰り広げられる会話。


守護者たちはもちろん、メイドやらまで、なんだなんだ、と見に来ている。



話題は花梨の好き嫌いについて。


花梨はナスが嫌いらしい。






「…花梨、いい母親にはなれないね」


「はい?」



突拍子もないことを言い出した綱吉に、みんなの視線が集まる。



「好き嫌いがあるとその食べ物を使わずに料理するから、子供はその食べ物を知らないまま育つんだよ
それって、子供がかわいそうだよね」


「…」


「俺、俺の子供にそんなかわいそうなことしたくないなぁ…」

「…っ」


「あーあ、
かわいそうだなぁ」


「〜っ、わかったよ!
食べればいいんでしょ
食べれば!」


「うん」





そしてみんなが見守る中、花梨がナスを口に運んでいき、



少し躊躇って、やっと口を閉じる。





「……っ、はぁ」


よく噛んで、とは言えないけどちゃんと噛んで、やっと呑み込んだ花梨はフニャと脱力してテーブルに寝そべった。




おぉ!

野次馬、全員思っていたところで…



「花梨、」



また綱吉が口を開く。




「んー?」




クイっと花梨の顎をすくい上げて、みんなが見ている中で軽くキス。




「…んっ……ちょっ、ツナ?」



「頑張ったご褒美
良くできました」




にこーと笑った綱吉は、花梨の頭を撫でた。




「…もって褒めて」



「良くできましたー」



そしてまた軽くキス。





もう二人は、二人の世界に入っていた。








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