あの後結局、みんなで朝ご飯を食べながら美海のことを聞くことになった。

美海のあの苦しそうな顔を見た後だったから、食事をしている間も、美海の話を聞いている間も、重苦しい雰囲気かと思えばそうでもなく、わりと暖かい雰囲気だったのは美海のあれのおかげだろう。














2時間前…。







(ありがとうございます)


そう言うように口を動かして目を細めた美海に、俺たちは何て言えばいいのかわからなかった。


さっきの様子を見ただけでも、美海が辛い過去を過ごしてきたことがわかる。

だから、無闇に何か言葉をかけて美海を傷つけるのは嫌だったのだ。

骸だけは仲間を見るような、慈しむような目で美海を見ていた。




そんなシーンとしたなか、

ぐぅー、と小さく、でもはっきりと空腹を伝える音が俺たちの間に響いた。



みんなの視線が美海に集まる。


美海は頬を赤に染めて武の腕の中から出ると、小走りで会議室に入り、戻ってきた美海の手にはスケッチブックとペンが握られていた。


それには丸っこい字で、


"さっき
走りまわって泣いたので
お腹すいちゃいました"


と、恥ずかしそうに小さく書いてあった。



美海のあまりの緊張感のなさに、俺は思わず吹き出して笑ってしまった。

みんなも次々と笑い出す。









俺もみんなも笑いが落ち着いてきたところで、


「ふっ…
じゃあとりあえず、みんなで朝ご飯食べようか」


ということになったのだ。









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