「…大丈夫」
俺が美海のほうへ踏み出せば、また美海の体が跳ねる。
おそらく、青い炎を灯せることで人体実験などされていた記憶があるのだろう。
もう一度美海に目を戻せば、武に捕まえられたまま眉根を苦しげに寄せ、目を閉じていた。
…もっと早く見つけてあげればよかった
「…美海」
そっと震える肩に触れる。
ゆっくりと、怯えるように目を開けた美海の碧い瞳が光の角度でなのか、一瞬だけ薄茶に見えた気がした。
「見て…ほら、」
手を美海の目の高さまで上げ、ボンゴレリングが見えるようにして、
ぼうっと橙色の炎を灯す。
美海の顔が驚愕の色に染まり、碧い瞳は炎に釘付けになった。
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