出た瞬間、何かが前をすごい速さで通り過ぎた。
「ん?」
反射的にその物体の方を見て、驚く。
「美海っ!?」
すると、美海が走ってきた方からクロームが走ってくるのが見えた。
その後ろには了平さん、骸、そして隼人。
「待って!美海っ」
みんなだいぶ疲れている。
それでも逃げようとする美海の前に、
「よっしゃ
挟み撃ち成功!」
武と了平さん、そして珍しく恭弥さんがいた。
「…っ!?」
美海がそのまま武に捕まって逃げられないのだが、まだ逃げようともがいている。
そのうち、美海の手が武の手に触れた。
いや、詳しくは、武がつけている雨のボンゴレリングに、触れた。
「うぉっ!?」
「…!!?」
いきなりリングが炎を灯し、みんなが目を見開いた。
「…え?」
「んっ?」
「はい?」
「は?」
「あれ?」
「…武、なんで炎灯してんの」
俺の言葉に武が困り笑いをしながら頭をかいた。
「いや、俺灯してない」
てことは…
ばっとみんなの視線が美海に集まった。
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