「じゃあ、まず武から」
「おうっ」
「10代目!?
何で俺からじゃないんですか」
「んー隼人はねー…
やっぱ武から」
「10代目ぇーー」
明るい笑い声が部屋の中に広まる。
みなさん屈託もなく笑い、とても仲良いのがすぐわかった。
10分前、私が沢田さんに連れられて来た部屋は会議室のようで、円形の机とそれに沿って並べてある椅子に6人が座っていた。
クロームもいる。
…となりに同じ髪型をした男の人も。
あれって、自分の意志でしてるのかな…?
思っちゃ悪いけど、…へんだよね?
意識の隅でそんなことを考え、沢田さんが口を開いてさっきのところにもどるんだけど。
ほんとにみなさん年も近いみたいだし、家族みたいな雰囲気がしている。
「隼人が一番がいいのはわかったから
でも武からにする」
「そんなぁー」
「ははっ、わりーな獄寺」
「うるせぇぞ、野球バカっ」
「はい、隼人うるさいよー」
「すみません!」
今主に喋ってるのは、ていうか声が大きいのは3人だけど、他の人たちは気にせずそれぞれの好きなようにしている。
こういうのは日常茶飯事みたい。
それにしても、沢田さん、あんな顔するんだ…
今、3人で喋っているときの沢田さんは、やんちゃな笑顔だ。
落ち着いてるようだけど、かわいい一面も見て少し嬉しくなった。
そのままぼんやりと3人のやりとりを見ていたら沢田さんが気づいた。
「あっ、ごめん
紹介するね」
"いえ"と伝わるように小さく笑った。
そんな私を見て獄寺さんの目つきが鋭くなった気がした。
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