美海、大丈夫かな…
私は美海の部屋を出て、長い廊下の突き当たりにある大きな部屋へ入っていく。
「…ボス」
そこは執務室で、ボスが書類を片付けていた。
「あ、言ってきてくれた?
ありがとう、クローム」
「ううん
…ボス、一つ聞いて良い?」
「ん?」
「ボスは…どうして美海をボンゴレに連れてきたの?」
美海は、裏の人間じゃない、
けど、
表の人間でもない
…そんな気がする。
ボスも気づいたはず。
それでも連れてきた理由は…?
「俺でもあまりわからないんだ
オークション会場で美海を見たとき、なんかほっとけなかったから…
俺が守らなきゃ、と思ったんだ
俺は自分を信じる
…自分の血を信じる」
「それってボス、美海のこと…」
「ん?」
小さく傾げるボスはまだ自分の気持ちに気づいてないみたいで。
ボス、鈍いからなぁ…いつ気づくんだろ
二つの想い
(もう一度ここで、頑張ってみようかな)
(泣く思いなんて、させない)
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