やめて


信じてたのに


あなたは違うと、



信じてたのに




これが目的だったの…?











「や!…何で…何で!!」



ずんずんと引きずられていくのに抵抗する。

でもかなわなくて。



主催者のような人の前につくと彼は私がかぶっていた帽子と眼鏡を取り去った。


サラッと帽子の中に入れていた髪の毛が落ちて艶のある銀色が輝き、眼鏡で隠れていた碧い瞳が露わになる。



そして私の耳に口を寄せ、「あれ、見せて?」と囁かれた。
抵抗する気も失せて。



二人の前に手をかざして集中すると、小指にはめていた指輪が淡く青に光った。



主催者は目の色を変えて私を見るようになり、彼に値段の交渉をし始めた。










言われた値段に満足したのか、彼は主催者から札束を受け取り笑っている。


私はそれを、かごの中から呆然と見ていた。






何かが壊れる音がした

もう誰も、信じられない






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