入江正一 あの襲撃から俺はずっと白蘭について調べていた。 でも前に一度、隼人にミルフィオーレファミリーのことを調べてもらった時は、ボスが白蘭であることすらわからなかった。 だからやっぱり今回も何もわからなかった。 白蘭が何者なのか、 なぜ菜乃佳を狙うのか、 わからないと的確な判断ができない。 俺が悩んでる間にも仲間はどんどん少なくなっていって。 気ばかり焦っていた、そんな時、俺に人が訪ねてきた。 「綱吉、客」 言いに来たのは珍しく恭弥さん。 「こんな時間に!?…誰でしたか?」 窓から外を見れば、もう日は暮れている。 「さぁ? …ただずっと綱吉のこと呼んでる」 「? ちょっと見てきます」 いつもだったら俺が直接出て行くことはないんだけど、でも、超直感が「大丈夫、行くべき」と言っていたから。 「…僕もついていこうか?」 「大丈夫だと思います 心配ありがとうございます、恭弥さん」 「そう」 言いに来たのが恭弥さんで良かった。 隼人だったらついていく!って聞かないと思うし。 そんなこと考えながら門まで向かう。 玄関から門まで距離があるから途中からは車で移動し、十数分でついた。 門へつくと、眼鏡をした男が立っていた。 俺が車を降りると、すぐ気がついて近寄ってくる。 「すいません、こんな時間に… どうしても人気の少ない時が良かったんで…」 「いえ…えっと?」 何て呼べばいいか迷っていると、男は察したのか自己紹介をし始めた。 「あ、僕は入江正一といいます 今日はボンゴレボス、沢田綱吉様と話がしたくて来ました …白蘭さんのことです」 目の前の、入江正一と名乗る男は、白蘭のことを「白蘭さん」と呼んだ。 もしかしたら敵かもしれないのに、あいかわらず超直感は「大丈夫」だと言っていた。 ← → |