それはまだ始まり





出てきちゃだめだよ、



そうツナに言われたけど…ちょと覗くくらいならいいよね?



勝手に判断した菜乃佳は、カーテンを少しだけ開けると顔を出す。



(えっ!?…何であいつが)


外にはリボーン、綱吉、3人の人物、そして――



百蘭がいた。




「菜乃佳はここにはいない 何の用だ!」



綱吉の機嫌の悪い声が聞こえてきて。



「えっ!?菜乃佳のこと…?」


思わず声に出してしまった。



まさか菜乃佳が覗いているとは思ってなかったのか、運転手さんがびっくりして菜乃佳のほうを振り返る。




しー、

綱吉たちに気づかれてはいけないから、口の前で人差し指を立てて運転手さんを見つめると、前を向き直した運転手さんは呆れたように、言った。



「…菜乃佳さん、さっきボスに出てきちゃだめ、って言われてませんでした?」



「言われたけど〜…大丈夫、大人しくしてるから!」



だだこねるように言い募る菜乃佳の耳に



「誰がお前の自己紹介なんか聞くか
リボーン、行くぞ」



綱吉が帰ってくる音が聞こえて慌てながら、でも耳を済ませながら、座席のほうへ戻っていく。



そこへ、百蘭の、飄々とした声が。



「ミルフィオーレファミリー」






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