悩みとリング 「ん…」 「ランボ!?」 この2日間、身動き一つとらなかったランボの手が少し動いた。 「…ボン、ゴレ…?」 うっすらと開いたまぶた。 綱吉はすぐに壁についているボタンを押し、医者を呼んだ。 起き上がろうとするランボは、銃で撃たれたところが痛んだのか顔を歪める。 「まだ寝とけ」 軽く押しただけでまたベッドに落ちるくらい深い傷。 痛くないわけがない。 「…すみませんでした、ボンゴレ」 「謝るのは俺のほうだよ。あの日は朝から嫌な予感がしていたのに…」 「いえ、それは――」 ランボの言葉を遮って医者が、そしてその後ろからみんなが入ってきた。 「ランボー!」 「アホ牛!」 「ランボのバカー」 「お前というやつは!」 「…」 「起きるのがオセェ!」 「…みなさん、心配をかけました」 弱々しい笑顔を浮かべたランボに菜乃佳は近寄った。 「…菜乃佳さん?」 「…ランボなんか、…ランボなんか」俯いている菜乃佳の顔は見えないが、ポタっとおちたは菜乃佳の涙はシーツにシミをつくった。 「…ラ ン ボ ?」 菜乃佳を泣かせたな? 菜乃佳の後ろで、綱吉が黒い笑みを浮かべて。 「ひぃっ…!菜乃佳さん、泣かないでください」 みんな変わらないランボに安心したのか、自然と笑顔が生まれる。 ボンゴレ本部は2日ぶりに温かい雰囲気に包まれた。 「よし!今日はみんなで騒ごう!」 「さすが10代目っすね」 「わかってんな、ツナ」 「わたしは最高級ワインがいいですね」 「ふざけんな、お前は水だ」 「えっ、わたしが起きたからするんじゃないをですかー?」 「てか、アホ牛まだ未成年だろーが!」 ← → |