的中





その日の夜中。

綱吉は自分のなかで嫌な予感がどんどん膨れていくのがわかった。
ランボはまだ帰ってきてない。頭が冴えて眠れなかった。


水でも飲もうかな

そう思い立つとモヤモヤする気分を無理にあげて食堂へ行った。


しばらく歩くと食堂から光が漏れてるのが見えた。


中からはしゃべり声がするが小さくて聞き取れない。


「誰かいるの―…」


ひょいっと顔を覗かせればそこにいたのは…


『ツナ(10代目)(ボス)!?』

綱吉を除く、みんなだった。


「どうしたの、こんな遅くに…」

「ツナこそ…」

「俺は…眠れなくて」


少し言うのにためらって、言わなかった。

みんなを不安にさせたくなかったし、言ったら嫌な予感が当たってしまいそうで。


「俺もです、10代目」

「同じ…」

「俺もなのな」

「極限に眠くないぞ〜」

「俺もだぞ」

「…僕はのど乾いただけだよ」

みんなが次々と言っていくなか、菜乃佳だけが俯いていた。


綱吉が目で促すと、だんだん目に滴が溜まっていく。


「…嫌な予感がするの」


ポロッと一筋落ちれば、ポロポロと止まらなくなって。


「ランボに…何かあったらどうしよう…」

「…っ、ぁ」


綱吉が何か言おうとしたとき、バタバタと数人の足音が響いてきた。


「ボス!いらっしゃいますか!?」


ハァハァと息を切らしながら入ってきたのは、ランボについていかせた部下の一人で。


ドクン

心臓がなるのがわかった。


「どうした」

「任務が終わって油断していたところに背後から…。リングは捕られませんでしたが銃で撃たれて…」


部下が言い終わるのが先か、綱吉が動くのが先か、わからないほど綱吉は医療室へ無我夢中で走った。







←