嫌な予感





「菜乃佳、あれから誰にも知られてないよな?」

「もー、大丈夫だよ!心配性だな、ツナは」

「おい菜乃佳、お前軽く思ってるかもかもしれないが実は大変なことなんだぞ」

「わかってるよ?リボーン」




謎の白蘭と名乗る男が現れてから一週間がたった。


最初の何日間かは京子やハルも来て、みんな些細なことにも気を配っていたが、一週間も経つと心配は少しずつ薄れていった。


薄れていった今でもうるさいくらい言ってくるが、心配してくれてるのだから邪険には出来ない。


「お前、まだわかってないだろ!」

「そうなのな、この世界が恐いのは菜乃佳が一番知ってるだろ?」

「そうだよ!わたし菜乃佳がいなくなったらイヤだ!」

「…ありがとう、みんな」


゛心配してくれて¨


あと一言は言わずに心の中で呟く。

だって、恥ずかしいもん!


かわりに優しい人たちにとびっきりの笑顔を。



「…もう」


綱吉は深いため息を吐いたかと思うと、ふんわりと微笑んで菜乃佳の頭をクシャクシャと撫でた。


この手が、好きで好きで大好きで。

この優しい人たちが、好きで好きで大好きで。


こんな幸せな場所がいつまでも続くと思っていた。


「…ところで10代目、今力をつけてきている゛ミルフィオーレファミリーのことなんですが…」


ふいに獄寺が口を開いた。


そうだった、ここはツナの執務室だった…
仕事の邪魔しちゃ駄目だよね


こっそりと扉から出て行く。
途中、クロームと目があったが菜乃佳の気持ちを察したのか、笑顔で小さく手をふってくれた。



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