二人の想い





パタンとドアが閉まり、ツナの後ろ姿が見えなくなった。

菜乃佳以外のみんなはぞろぞろと思い思いに帰って行く。

一人俯いていた菜乃佳の足元に、綺麗な雫が一粒落ちた。






「…ぅ……っ…」



ずっと、我慢してた

ずっと、何かの予感が胸から離れなかった



「ふ…ぅっ……」



菜乃佳だっておじいちゃんの、──ボンゴレ九代目の血を引いてるから

その予感が何なのか、はっきりとはわからない

でも、ツナが危ないことは、なんとなくわかった





行かないで

さっき、涙と共に飲み込んだ言葉はまだ喉の奥にあるの




帰ってきてね

せめてもの願いに放った言葉の意味は、ツナに伝わった?





これでよかったのかなんて、菜乃佳はわからない

でも待ってるから

ずっとずっと、待ってるから





止まらない涙は拭いきれなくて、

自分の足じゃ立っていられなくて、

抑えてた声はどんどん大きくなって、


とうとう座りこんで泣いてる菜乃佳に気づいて、みんなが戻ってきた。



異常な菜乃佳の様子に、みんな不安になったみたいだけど、それでもまだ、ツナは大丈夫だと、みんな信じていた。





ずっとずっと、待ってるから



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