戦いに必要なもの





それから移転の準備は着々と進み、もうアジトは4割ほど出来てきていた。


地下に造るから元からあった建造物を避けて造らなければいけないのにかかわらず、短期間で質もいい。

さすがボンゴレの建設班といったところだ。



また正一のおかげか大きな襲撃もなく、わりとのんびりとみんなが荷物をまとめていた。










「ツナー」


「ん?」



仕事が一段落して休憩しているときに菜乃佳が入ってきた。



「あっちに持って行く荷物って少ないほうがいい?」


遠慮がちに聞いてくる菜乃佳。

どうしても持って行きたい物でもあんのかな…


いろいろと考えてみるけどわからなかった。



「んー…
俺、あっちにバイク全部持って行くつもりだから別に多くてもいいよ」

「ほんとっ!?」



俺の言葉を聞いた瞬間、パァッと笑顔になり、俺もつられて笑顔になる。



「うん」

「やった!ありがと」



…そんなにたくさんあるのかな、大切なもの






そのあと、しばらく菜乃佳と他愛のない話をしているとき、


「10代目〜!!」


隼人が珍しく息を弾ませて入ってきた。


「なに、どしたの?」


「見てください、これ!」



ずいっ、と隼人が俺の顔の前に突きだしたのは…







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