話し合い









正一を門まで送って自分の部屋へ戻ってきたとこ、



「…おかえり」


恭弥さんがまだ廊下で座って待ってた。



「今日はありがとうございました
…もういいですよ?」


いつもなら言わなくてもいつの間にか居なくなってるのに…
どうしたんだろう?


不思議に思いながら言ってみると



「…受けることにしたんだね」

「!」


何を、とは聞かなくてもわかった。

恭弥さんは俺と正一の話の内容を聞いてたんだ。


「…聞こえてました?」


「うん」


防音の意味ないな、とボンヤリと思った。


まぁ恭弥さんが聞こえたのは、この社会に入って培われたからだろう。







いっか
恭弥さんだったら言いふらさなさそうだし、

そのときの俺は、不思議とその計画に不安がなくて、逆に前に進んでる、という嬉しさしかなかったんだ。






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