入江正一









「とりあえず…
中に入りますか?」


俺が門を開けて中へ促すと、


「えっ!?」


大きな声でおどろかれた。



「?」


「あ、いえ…その…こんな簡単に入れるとは思ってなかったので…」


「大丈夫です、俺の直感がそう言ってるんで」


にこっ、と余裕の笑顔で相手を見る。


「あぁ、超直感!!
…あの、出来れば人に話を聞かれないような場所がいいんですが…」



正一は納得したようで、声を潜めて言ってきた。



「わかりました
…恭弥さん、そこにいますよね」


車の中からでも、こそこそと付いてきているのは知っていた。

隼人じゃなくてよかった、と思ったが、別にどっちでも変わらなかったらしい。



「…よくわかったね」



すぐ近くの木から降りた恭弥さんは葉っぱを払いながら近寄って来た。



「話、きいてましたよね?
そういう訳なんで、俺の部屋で話します
見張りお願いします」


「はぁ?なん「お願いします



笑顔の圧力。



「…君、ずいぶん変わったよね」


「?、何がですか?」







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