仲間 「…申し訳ない」 そう言ってボスが俺たちに、頭を下げた。 あまりの驚きに、誰も何も言えなかった。 頭をあげたボスの目の端には、一粒の光る涙。 「…ラジ、カンナ、ハロ、ジロ、イタナ、サメロ、ダラス、ナンヨ、…………… みんな立派だった これからはこういうことが増えると思う 俺はみんなを無闇に危ない目に合わせたくないから… ボンゴレを抜けたい者は今、抜けてくれ」 苦しそうな顔で言うボスは、マフィアのボスとしては優しすぎて、良い人すぎて。 前から知っていたつもりだったけど改めてボスを知った。 そしてなにより、とても多い部下全員の名前をおぼえてるような、そんなボスについてきた自分を信じよう、と思った。 「…ボス、俺たちを見くびらないでください! ここまでボスたちに着いてきたんです、最後まで着いていきますよ!」 一人が言えばみんな次々と言い出す。 「そうです! 死ぬのが怖いなら、最初からマフィアに入ったりしてません」 「頑張って頑張って、やっと入れたボンゴレなんです そう簡単に抜けたりしません!」 「…ありがとう」 薄く呟いたボスの声はすこし鼻声だったように聞こえた。 ← → |