二度の電話






通話を切って、グローブやらスーツやら探してを慌ただしく動き出した俺に菜乃佳が控えめに聞いてきた。



「…どうしたの?」



瞳が不安げに揺れている。



「…みんなが一斉に、何者かに襲われた」


「え!?」


「俺、とりあえず隼人たちのとこ行ってくる
菜乃佳はここで待ってて」



言うと、すぐに身をひるがえして部屋の外へ出た


が…



「菜乃佳も行く!」



菜乃佳が閉まるドアの隙間をすり抜けて俺の前に立った。


「…菜乃佳はここで「菜乃佳だけ安全なところにいるのは、…絶対にイヤ…!」



何を言われても諦めない、

目を瞑って俯いててもそう思ってるのが真っすぐに伝わっきて。






「………わかった」



観念したように溜め息をついた。

すごい勢いで菜乃佳が顔を上げる。



「じゃあ!」


「ついてきてもいいけど、一人で危ないことするなよ」



「うん!」








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