仕事











ということで、只今、綱吉の執務室に菜乃佳はいます。



「菜乃佳は何すればいい?」


「んー…ちょっと待ってね」



机の前に座って眼鏡をかけた綱吉は、引き出しを開けて何かを探している。




…ツナの仕事姿とか久しぶりだな





綱吉の色素の薄い瞳がレンズ越しに見えてドキッとする。





「あ、あった」



顔を上げた綱吉は菜乃佳を見た。



しばらく菜乃佳の顔を見ておもむろに眼鏡を取ると、



「!?」



菜乃佳に優しく口付けた。

押し付けるように。
すぐに離れたかと思うと、次は深くなったそれが。



離れるたびに深くなっていくそれは、どんどん思考を支配していく。



…もっと、もっと



崩れそうになる体を懸命に綱吉のシャツを握って、それに応えていると、



「…ツナ?」



ふいに離れていく綱吉の体温。


止められた訳がわからなくて綱吉を見上げると、綱吉は少し赤くなった顔をしていて。



菜乃佳から顔を背けて口を抑えたかと思うと、


「…その顔反則」


ポツリと呟いた。



「え?」



訳がわからず綱吉を見つめる。





「足りない、って顔してる
さっきはキスしたいって顔してたし」


「うそっ」




バッと顔を手で包んだ菜乃佳の耳に綱吉の低い、心地好い声。




「俺が我慢できそうにないから後でね
今、仕事中だし」



「う、うん…」




カーッと顔が赤くなって。




そんな菜乃佳を見た綱吉は菜乃佳の頭を少し乱暴に撫でると、柔らかく微笑んだ。






そのころみんなは…