怪しい男





綱吉と男の間に割り込む。


「やっと会えたね、菜乃佳ちゃん」

「菜乃佳、出てきたらダメだろ!」

「ツナ、ちょっと黙ってて」


菜乃佳は、自分の後ろにやって庇おうとする綱吉を制して前に出た。

「菜乃佳は物じゃないし、あなたのファミリーにも入りません!もう来ないでください!」


男に有無を言わさずに言いきると、綱吉の手を引いて屋敷の中に入っていく。


「菜乃佳ちゃん、僕の名前、白蘭だから。覚えといてね」


後ろからかけられる声を無視して誰かがドアを閉めた。



* * *



「菜乃佳ちゃん、あんなに気強かったんだ…。まぁそっちのほうが僕の好みだけど。…絶対にあきらめない」


白蘭と名乗った男は、ブツブツと呟きながらどこかへ消えた。





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