二人の想い





「やぁ、綱吉クン」



ビルの、待ち合わせしていた部屋へ行く途中、白蘭が現れた。
後ろには正一がいる。



「…」


「独りで、って言ったつもりだったけど」



笑顔だった白蘭の顔がすっと無表情になった。

白蘭の雰囲気が変わったことを感じとり、隼人と武が前に出ようとするのを制して言う。



「話合いのときは二人は外に出ていてもらう、
それならいいだろう?」


「…まぁ、いいけど♪」



ぱっと笑顔になる白蘭は、何を考えているのかよくわからない。



「殺すのが二人増えただけだしね」



その言葉とともに周りからたくさんのミルフィオーレファミリーだと思われる人々が。

二人も素早く反応して応戦している。



正一が僅かに頷いたの確認して、白蘭に向かって歩き出す。



目の端に映る、二人は敵に圧されながらも俺に何か言っていた。


ごめんね
隼人、武




パンっ


この世界に入って7年
まさか、リボーン以外の人が撃った弾を受けるとは、思ってなかったよ


駆け寄ってこようとする二人に倒れながら微笑んだ。



仮死弾といっても、俺を死んだように見せかけるため、痛みは伴う。

撃たれた場所から血が流れていくのがわかって、なんか笑えた。









もう白蘭はいない。

二人は至る所に怪我をして、敵が引いていくのを見ると、急いで俺に寄ってきている。



「十代目!」


「ツナ!」



重くなっていく瞼をもう少し、もう少し、と押し上げて、二人の顔がはっきり見えるようになる所まで二人が来ると、目を閉じた。





みんなのこと、よろしく

菜乃佳のこと、よろしく

たぶん今ごろ、泣き疲れて寝てるから

目が覚めたとき、またずっと泣き続けることがないように、よろしくね










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