約束 そして次の日。 付いて来るのは隼人と武になった。 「じゃあ、行ってくるね」 俺はそこらへんに行くかのように言う。 みんなも、2人がついていくから安心、という雰囲気を出していて、俺は特に何も言うことなく身を翻した。 が、ツンと何かに服を引っ張られる感覚。 「…?」 振り返ると、それは菜乃佳だった。 また目いっぱいに涙を溜めて、俺を見ている。 「ツナ、」 「…ん?」 菜乃佳は一回俯いて、次に菜乃佳が顔を上げたとき、瞳に涙はなかった。 泣き笑いのような、儚い綺麗な笑顔にドキっとした。 「絶対、帰ってきてね」 「…うん」 「…っ……約束だよ」 「うん、約束 必ず帰ってくるから だから…少しの間だけ、ばいばい」 "必ず帰ってくる" それは本当のこと それまでの時間がどれだけ長くても、どれだけ短くても、その約束だけは守るから 待ってて ← → |