さぁ、始まり始まり





それは昼、みんなでお昼を食べているときだった。

机の上にあった俺のパソコンから、パッと光が壁に当たり、白蘭の顔が映しだされる。


『やぁ、綱吉クンたち
久しぶりだね♪』


みんないきなりのことで騒然となる。

それでも構わず、白蘭は話を続けた。


『僕そろそろ疲れてきたんだよね、出てこない綱吉くんを誘き出すために部下とかを攻撃するのに
だから綱吉くん、提案なんだけど、一度、一対一で話合わない?』


「はぁっ!?
ふざけんなっ!
テメエと一対一なんかさせるかよ!」

「そうなのな
疲れたなんて理由、通るわけねーよ」


山本の語尾が珍しく崩れた。
まぁ当たり前だろう。
父親を殺されてるのだから。



『君たちには聞いてないよ
綱吉くんに聞いてるんだ』



白蘭はすっと笑顔を消して、俺たちを見る。



「そんな言い分、どうでもいいんだよ!
その話は乗らない
これで話は終わりだ!」


「…いや、その提案、乗る」



とても俺は考えて出した答え、そうみんなが思うように、ゆっくり、品定めするように白蘭を見る。



「十代目っ!?」

「おい!?本気か、沢田」

「ツナ!?」

「ボス…」

「ボンゴレ?」


みんなの視線を受け止めてさらに俺は続けた。


「それで少しでもファミリーが助かるなら、乗る」



俺の言葉を聞いた白蘭は、満足、とでもいうような笑顔を浮かべて、消えた。



「……ツナ…」


心配の色が滲む、菜乃佳の声を、聞こえないふりした。





さぁ、始まり始まり

喜劇か、悲劇か






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