―カミュ―


「早くしろ!」

「何で命令口調…はぁ。」


約1ヶ月ぶりの逢瀬。両手を広げて迎え入れる様は流石と呼べる程優雅だ。見惚れていると、先程とは真逆な台詞が矢のように突き刺さった。呆れて溜息を吐くと、カミュが此方に近づき抱き締めた。胸に耳を当てると心音が早めで、少し緊張していた自分のそれと同化したが、アロマ系のスッとした香りの後に残る少し甘めの香水が徐々にカミュと触れ合っているのだという安堵を与えた。


「俺に恥をかかせる気だったのか貴様は…折角出迎えてやったと言うのに…。」

「ちょっと見惚れちゃいました…カミュ、寂しかった。」


えへへ、と笑うとカミュが優しく笑って顔を寄せた。薄く目を閉じるとカミュの高い鼻と唇が肌に触れた。


「…許せ。」

「お互い仕事だから仕方ないよ。今、何か幸せなだぁって実感した。」

「俺もだ。…俺も会えずにいる期間がもどかしかった。今とても幸せだ。」


素直に想いを口にするカミュにまた愛おしさが増した。


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