自分の想いに気付いた時


翌日、麦わら海賊団は海へ出ていた。相変わらずサンジはナミとロビンにデレデレだ。


「何か嫌だなー」


そんなことを考えていると、胸が痛くなった。


「ハァ、病気かな…」
「どうかした?」


近くに居たナミが、私の言葉に反応した。


「んー、昨日からサンジのこと考えると胸が痛くて……」


正直にナミに伝えると、ナミはクスクスと笑って私にこう言った。


「それって恋じゃない?」
「こ、恋!?池に泳いでる鯉とかじゃなくて!?」
「当たり前よ」


まさか自分がサンジに恋をしてるなんて思ってもいなかった。


「で、どうしてナナはサンジ君に会いに来たの?」
「会いたいなーって思ったから」
「ふーん。もうそれが恋よね」
「そうなのかな……?」


キッチンで料理をしているサンジを見ると、何だか胸が熱くなる。


「でも、私のこと女の子扱いしてくれないし…」
「そんなこと無いわよ、きっと久しぶりに会ったからサンジ君もどうすれば良いのか分からないのよ」


ナミの言葉を素直に信用したい気もするが、そうじゃない気もする。


「ナナ!アタック有るのみよ!」
「ナミ…」


ナミの励ましの言葉に勇気づけられる。よし、自分の気持ちに気付いてしまったんだから、頑張ってみよう。


「ナミ、ありがとう!」


私はそれだけ告げ、キッチンに居るサンジに声を掛けた。


「サンジ!見ててね、ぎゃふんと言わせてやる!」
「は!?ナナ?」


意味の分からない言葉だけ残して、私はサンジの元を離れた。それから私は女子部屋に行き、どうやったらサンジに好きになってもらうかを考えた。恋愛初心者の私には、好きなタイプを聞くことしか思い付かなかったが、とりあえず今度試すことを決意した。


(よーし、頑張るぞ!)


▽20110414