所詮ただの幼なじみ


「へー、それじゃサンジとナナは幼なじみなのか」


麦わら海賊団に入った私。今日は私が入ったということで宴が繰り広げられている。サンジの言った通り、一味には変な人ばかり居た。タヌキじゃなくてトナカイだったり、サイボーグだったり、骨だったり。でも話してみると案外いい人ばかりで、ルフィの言ってたこともよく分かった。


「うん、そーなの」
「サンジのことなら色々知ってるってことだな?」
「任せなさいっ!」


お酒が回って来た私はフラフラしながらもみんなと会話を続ける。


「昔のサンジ君ってどんなだったの?女の子には今と変わらない態度?」


興味津々に聞いてくるナミ。残念ながら昔はこんなんじゃなかったはず。さっきナミから聞いた話だと、サンジは女の子にはいつもデレデレしているらしいが。


「うーうん、こんなデレデレしてなかったよー」
「へー。そうなんだ」


サンジをチラッと見ると、またゾロと喧嘩している様だ。全く、今日1日で何回喧嘩したことか。でも、こんなサンジを見たのは初めてだ。女の子にデレデレしてるサンジもだけど。


「うえ……」
「ちょっと、ナナ。飲み過ぎたんじゃない?」


吐きそうになる私を心配してくれるナミ。


「外に出たらどうかしら?」


それに、ロビンまで心配してくれた。何だか申し訳ない。


「うん……。ちょっと外に出るね」


そう二人に言って外に出た。外に出ると夜の冷たい風が私の酔いを少しだけど覚ましてくれる。


「飲み過ぎた…」


甲板に座り込む私。すると、誰かが私に近付いて来た。


「大丈夫か?」


その声の主はサンジだった。


「うん、大丈夫」
「そうか…」


サンジは私の隣に静かに座り、タバコに火を付けた。


「そういえばサンジ…いつからタバコ吸うようになったの?」
「忘れた」
「あっそ」


心配して来てくれたんだと思うけど、どうせ私はただの幼なじみ。ナミやロビンみたいに女の子扱いされないんだもん。幼なじみでも、一応女の子なのに。そんなことを考えていたら、いつの間にか酔いは覚めていた。


「戻る」
「もう飲むなよ」
「分かってる!」


べーと舌を出し、サンジから離れて部屋に戻ったた。


(ってか、何であんなこと考えてんだ私…)


▽20110409