君の横顔 サンジとルフィの船に向かう私達。どんな仲間が居るのか今から楽しみだ。 「ねぇねぇ、どんな人達が居るの?」 荷物を持ちながら私の隣を歩くサンジに問い掛けると、サンジは私を見て口を開いた。 「あー、まァ変なやつばっかだ」 「変なやつって……」 「みんないいやつだぞ!」 ルフィはみんなを褒めるが、サンジは溜め息をついた。そんなに面倒な人達なんだろうか。船に着いた私達は早速乗り込んで行く。 「帰ったぞー!!」 ルフィのその一言でクルーが集まってきた。 「待ってたぞ!サンジ、メシ作ってくれ」 「遅かったじゃねェか」 「腹ペコペコだぞー」 鼻の長い人に、マリモみたいな緑色の頭の人。それにタヌキが喋ってる!? 「サ、サンジ…。仲間ってこの人達?」 サンジに質問するとそうだ、の一言だけが返って来た。 「このタヌキ喋ってるよ…」 指を差しながら言うと、タヌキが怒った様子で私に話す。 「タヌキじゃねェぞ!おれはトナカイだ!!」 角の様なものを指差しながら言うタヌキ…じゃなくてトナカイ。 「え、トナカイなの!?」 「って、お前誰だー!!?」 タヌキ…じゃなくてトナカイは怒っていたと思えば急に現れた私が誰なのか驚いた。なんか見てて飽きない。可愛いし。それから、タヌキ…じゃなくてトナカイの言葉にルフィがみんなを呼び、私を紹介してくれた。中には女の人も居る様なので安心した。 「おー、みんな紹介するぞ!ナナだ」 「ナナです。よろしくお願いします!」 そう言うと、クルー達は「ま、まさか」と言い騒ぎ始める。 「仲間に誘ったりしてねェだろうな…?」 「したぞ」 長い鼻の人の問い掛けに答えるルフィ。それを聞いたクルー達は疲れ果てた様子だった。 「まァ、歓迎するわナナ。私のことはナミで良いわよ」 「ロビンよ、よろしくね」 「よろしくお願いします!」 二人の女の人が優しく声を掛けてくれ、一安心する。すると、何処からか聞き覚えのある声がした。 「ナミさ〜ん、ロビンちゅあ〜ん!洋梨のタルト出来たよ」 声のする方を見ると、そこにはサンジが居た。あれ?サンジってこんなデレデレしてたっけ? ナミとロビンと話しているサンジの顔はデレデレ顔で、私と話している時とは全く違う。そんなサンジの横顔を私はただ見つめるだけだった。 (ま、まるで別人!) ▽20110329 |