ある日のサニー号。私とチョッパーとウソップの三人は、ある人をじっと見つめていた。そのある人とは…――。


「ヨホホ!今日もいい天気ですねー」


ブルックだ。そんなブルックに見つからないよう、物の影で密かに話し合う三人。


「私……朝から気になってるんだけど……」
「大丈夫だ、サラ。おれも気になってる」
「うん、おれも……」


私はゴクリと唾を飲み、言葉を発した。


「ブルックの頭に………なんか白いの付いてるよね?」
「ああ。あれは、おれが見るには鳥のアレだ」
「言ったほうが良いよな……?」


ブルックの頭のてっぺんに、ちょこんと付いている白いアレ。


「そ、そうだよね!教えてあげないと!」


アハハと苦笑いをしながら答えると、ウソップとチョッパーに見られる。

ヤバい。嫌な予感しかしない。


「サラ!よく言った!お前言いに行け!」


ですよねーっ!!こういうパターンですよねーっ!!


「わ、分かったよ……」


正直なところ言いづらいが、言ってあげないと可哀相だ。頭にアレだなんて。

小さく深呼吸をして、ブルックの元へ行こうと振り返ると、目の前には既にブルックが居た。


「皆さん、こんなところでどうしたんですか?」
「「「げっ!」」」


いやーっ!まだ心の準備が!(深呼吸したんだけどね!)


「えっと、そのー……」


言うのに躊躇っていると、ウソップに早く言えと肘で突かれ急かされる。


「あのー、うーんとね」


苦笑いをしながら話していると、チョッパーの「サラ頑張れ」と言う声が聞こえる。

よし、言うぞ。

そう心に決め、口を開こうとすると。


「おい、ブルック。お前の頭にうんこ付いてるぞ」
「「「えぇっ!?」」」


ブルックの後ろからルフィが、さらりとその言葉を口にした。私達がどんだけ躊躇ったのも知らず。


「おや、この白いのはうんこでしたか。てっきりアイスクリームかと」
「「「誰が空からアイスクリーム落とすんだよ!!」」」
「ししっ、おもしれーこと言うな!」


その後、私とチョッパーとウソップは妙な脱力感に襲われた。


「何で躊躇ってたんだろ、私達……」
「馬鹿だよなー、おれ達」
「うん。おれもそう思った」


思ったことはさっさと口にしなくてはいけない時もあると、思い知った三人であった。


▽20110316