「なぁー、サラー?」
「なーに?ルフィ」


食事中にルフィが私に話し掛ける。


「サラって、本当はスゲーこと出来んじゃないか?」
「え?」


何を突然言い出すのルフィ……。スゲーことって一体何?戦闘でスゲーことが出来ることなのか、それともスゲー面白い芸が出来るとかそっち系かな?

うーんと首を傾げているとナミが口を開いた。


「ルフィってば、スゲーことだけじゃ意味が分からないわよ」
「そうだぞ!ルフィ!」
「サラちゃんを困らせんじゃねーぞ」


みんなに怒られるルフィを横に、ゾロは黙々と食事している。思わずその姿をジーッと見てしまう私。


「何だよ、サラ」
「えっ!?」


突然ゾロに名前を呼ばれ我に返る。そりゃ、見られてたら気になるか。


「あ、ごめん……」


咄嗟に謝ると「まぁ、良いけどよ」とゾロが私を見ながら真顔で言った。それを見た私は笑いを堪える。何故かというと、真顔で私を見つめているゾロの歯に、海苔が大量にくっついているからだ。

クールなイメージのゾロの歯に海苔って!しかも真顔で見つめられてる!

笑いを堪えていると、ゾロは「何なんだよ」とまた私に問い掛ける。


「だ、だって……っ、ゾロの歯に海苔が大量に……っ」


そう私が言うと、みんなが一斉にゾロを見た。そして、一斉に笑い転げる。


「アハハ、この無表情に 海苔って〜!」
「アホっぽいぞ」
「流石クソマリモだな」


指を差しながら笑うナミとニタニタとゾロを見るチョッパー。サンジは、ゾロを馬鹿にしたような目付きで小さく笑う。


「お前らな〜〜っ!」


怒りだそうとするゾロに、ルフィは言葉を投げた。


「ゾロ、怒んなって!でも沢山くっついてんなー」


ニカッと歯を見せながら笑うルフィ。その歯には、ゾロよりも大量に海苔がついていた。


「「「「お前が1番海苔つけてるよ!」」」」


▽20110303