本気の恋をした。

目を閉じれば、必ず彼女の顔が思い浮かぶ。

ずっと一緒に居たいと思う。


それって恋だろ?


初めて本気の恋をしたおれは、どんな告白をすればいいかを一人悩んでいた。ほら、おれって常に女の子を可愛いって言ってるからさ。ナミさんとかロビンちゃんとかを。だからきっと彼女は、名前ちゃんはおれに告白されても本気にしてくれない気がすんだよなァ。


「どーすりゃいいんだよ…」


頭を抱えて悩んでいると、突然扉が開いた。誰が来たんだ、と思って扉を見ると名前ちゃんがいた。なんてタイミングなんだ。


「サンジ…、どうしたの?」

「あ、いや。何でもないよ」


頭抱えてたら、そりゃ心配するよな。おれはタバコに火を付けて目を閉じた。


『サンジ!好きだよ!』

『おれもだよ、名前ちゃん』


そんな幸せなことを考えてしまうが、実際はそんなこと簡単に言えねェんだよな。


「サンジ」

「ん?」


名前ちゃんの言葉で我に返る。さっきからなにニヤニヤしてるの、なんて不思議そうに聞く名前ちゃん。そんなにニヤニヤしていたんだろうか。「何でもないさ」「サンジってば、さっきからそれしか言ってない」「そーかァ?」ムスッとする名前ちゃんも可愛い…ってそういうことを考えてる場合じゃねェ!

まァ、やっぱ言葉よりもコレだよな。

おれは名前ちゃんの腕を掴み、名前ちゃんをおれの腕の中に収めた。


「え、サ、サンジ!?」

「黙って、名前ちゃん」


“おれが幸せにしてやる。”

そう思いながら、おれは名前ちゃんを強く抱きしめた。


等身大のラブソング/Aqua Timez


▽20120104