今日はクリスマス。もちろんおれは好きな女、名前とデートだ。


「ロー!」

「よお」


手を振っておれのところへ小走りで来る名前。


「ペンギンみてェな走り方だな」

「ひどっ!」


可愛いくて仕方がないのに、ついおれは本音と違うことを言ってしまう。

やっぱりローってSだよね、なんて言う名前。


「そういうローは嫌い」

「悪かった」

「じゃあ、その性格直してよ?」


名前のタイプはやっぱりおれとは逆の性格なんだろうなと改めて思う。名前の言葉にはとりあえず首を縦に振っておいた。


「ほら、行くぞ」


それから、おれは名前の手を握って歩き出した。


「寒かったら言えよ」

「うん」

「入りたい店あったら…」

「わかってるよ!ローってば急に優しくなったね!」

「そーでもしないと振り向いてくれないだろ」

「え…っ」


ポロリ、思わず出てしまった本音に名前は足を止めた。

なにやってんだ、おれ。


「この際だから言うぞ、おれは名前が好きだ。ずっと一緒に居たい」

「ロー…。私もだよ!」


そう言った途端、鐘の音が鳴り響いた。まるでおれ達を祝福するかのように。


WISH

WISH/嵐


▽20120101