「出航だァ〜!」 船長のルフィの一言であたし達の船、メリー号が動き出す。 「次の島はどんなとこだろ〜な〜」 「可愛い子ちゃんいるかな〜」 「美味い酒が飲みてェ」 なんて言っているルフィとサンジとゾロを横に、私とチョッパーはクスクスと笑う。 「みんな元気だね」 「おれも元気だぞ!」 「うん!あたしも元気だけど!」 サンサンと輝く太陽を眺めていると、今までの冒険のことが蘇ってきた。リバースマウンテンを越えて、空に行って…、とにかくこの船は凄いと思う。 「名前、大丈夫か?」 チョッパーの一言で我に返るあたし。 「ごめんね、大丈夫だよ!」 「名前ちゅあ〜ん!体調悪いのかい!?」 いや、今さっきチョッパーに大丈夫って言ったばかりですけど。 サンジは手をあたしの頭の上に置き、優しく撫でた。 「サ、サンジ!子供扱いしないでよ」 つい恥ずかしくなりそんなことを言ってしまった。 「子供扱いなんてしてないさ」 「う゛〜」 そんなやり取りをしていると、ルフィに呼ばれた。 「名前〜、こっち来いよ」 「あ、うん!」 そう言ってルフィの所へ行こうとすると、ナミが突然口を開いた。 「この風……サイクロンが来るわ!みんな!進路を9時の方向に!」 ナミの一言で船員が動き出す。 「名前!手伝え」 「はいっ!」 ゾロに呼ばれたあたしは一緒に縄を引っ張る。引っ張っていると足がよろけてしまい、倒れそうになったが、ゾロが助けてくれた。 「大丈夫か?」 「ありがと…」 ひゃ〜!抱えられるように助けられちゃった。なんか恥ずかしい。 そんなことを思っていると、突然船が激しく揺れた。 「きゃっ!」 あたしは足を滑らせ、海へ落ちそうになってしまった。 「名前!」 それと同時に彼の手が伸びてきて、私を抱える。そう、船長の…――。 「ルフィ…っ、ありがとう」 「当たり前ェだろ!」 ニシシ、と笑うルフィは、やっぱり私達の船長だと改めて実感した。 海 賊 船 海賊船/遊助 ▽20111224 |