〜♪〜♪


携帯が鳴り響く。私はそれを直ぐさま手に取る。電話の相手は友達だった。


『どこにいるの?』

「まだ家。これから向かう」


それだけ言うと友達は分かったと言って電話を切った。今日は友達と出掛ける、といっても本当のことを言うと合コンだ。なんと今日は私の好きな人も来るということで張り切っている。


「こんな感じかな」


家を出る前に鏡で全身をチェックし、イヤホンをして家を出た。イヤホンから流れる曲が、なお私の心を高ぶらせた。


「ごめんなさい!ちょっと遅れました」


待ち合わせ場所に行くと既に全員集まっていた。もちろん私の好きな人、サンジも。


「久しぶり、名前ちゃん」

「サンジ!全然連絡くれないんだもん」

「ごめんごめん」


それから夜まで呑んだりして、あっという間に解散することになった。友達のおかげで私を送ってくれるのはサンジだ。


「あのさ、この後予定ある?」


みんなと別れて、二人っきりになった時に私は口を開いた。


「別にないよ?」


サンジは「まだ呑む?」と笑顔で付け足した。だけど残念ながら全く違う。今日は最初からサンジに告白するつもりだった。


「ちょっとショッピングでもしない?」


ギュッ、とサンジの腕に自分の腕を絡ませ、上目遣いで迫った。


「ショッピングって言ってもなー、もうあんま店やってないよ」


正直ショッピングなんてどうでもいい。人通りの少ないどこかに行くための口実だ。


「じゃあ、あっち行こ〜」


サンジは私の絡ませた腕はそのままにし、歩き始めた。


「サンジは、好きな人いるの?」

「んー、どうだろ。名前ちゃんは?」


なんて返してきたから、私の好きな人はサンジだよってとうとう言った。それを伝えるとサンジは進めていた足を止め、絡ませてた腕も解いた。無理ってことかな。


「サンジは…、可愛い女の子が好きだから私みたいの興味ないかもしれないけど…」


そう、だからサンジはよく合コンに行く。当の私は合コンなんて本当は苦手。だけどサンジとの接点を作るために頑張ってきた。


「私じゃ……ダメかな?サンジに抱いてもらえる人になりたい」


それを伝えるとサンジは少し微笑んで私を見つめる。


「逆におれなんかでいいのかい?急には一途にはなれないと思うけど」

「それでもいい……っ」


目をギュッと閉じて恥ずかしさを紛らわそうと思っていると、急に唇が熱を帯びた。

さぁ、これからだ。



LOVE & ROLL

LOVE & ROLL/supercell


▽20111217