「きゃっ!」


戦闘中だとは知らずに甲板に出てしまった私は、とりあえず身を丸めて叫ぶだけ。ほんと私ってばバカ〜!戦えないのに〜!

ふと上を見ると、瓦礫が上から降って来るのが見えた。とうとう死んじゃうんだ、と目を閉じた途端、エースさんが私を呼んだ。


「名前!」

「エースさん!」


エースさんは私の所へ来ると、私に覆いかぶさるようにして守ってくれた。


「だ、大丈夫ですか!?」

「大丈夫だ、心配すんな」


でも、とオロオロしていると、エースさんは少し笑って私を見た。


「ルフィみてェ」

「え?」

「おれの弟。ま、今は泣き虫じゃねェだろうけど」

「そんなに似てました?」

「おう、泣き虫な所が」


そう言うエースさんの笑顔は凄く素敵で。思わず見とれてしまった。

いつの間にか戦闘は終わっていて、エースさんは弟のルフィさんのことをずっと話している。よっぽど大事な弟さんなんだろうなと思うのと同時に、私はどう思われてるんだろうと思いはじめる。


「でな、そん時のルフィが……名前?」

「へ?」

「大丈夫か?」

「大丈夫ですよ?」

「そっか、なんか元気なさそうだったからさ」


エースさんはそう言うと、私の頭を撫でた。


「エースさん、私のことはどう思ってます……?ルフィさんのことばっかじゃなくて……」


そこまで言って、言ったことに後悔し始める私。どうせ仲間としか思われてないんだろうし。


「………」


ほら、黙っちゃうってことは困ってるんだよね。


「ごめんなさい、今の取り消して下さい」

「もしかして、嫉妬か?」


ちょうど私とエースさんの言葉が同時に発されてしまった。


「え?」

「あ、ルフィに嫉妬してんのかと思って……」

「そ、そうですよ!だって私、エースさんのこと」


そこまで言うと、突然エースさんに口を押さえられた。


「おれは名前が好きだ」

「わ、私もです」



こっち向いて Baby

こっち向いて Baby/初音ミク


▽20111210