窓を開け、朝の光を部屋に入れる。


「おはよ、ルフィ」


ハンモックで寝るルフィを起こしてそう言った。


「おー、名前か。おはよ!」


ニカッと笑うルフィ。その笑顔は私を麦わら海賊団に誘った時の顔と変わらない。


「ルフィ!私ね…、ルフィに言いたいことがあるの!」


そう言うとルフィは何だ、と首を傾げる。私が言いたいことはただ一つ。“ありがとう”だ。

私はちょうど1年前にルフィに麦わら海賊団に誘われて入ることにした。なかなか馴染めない私を、ルフィはいろいろとしてくれた。おかげで、今では皆と仲良しだ。


「あのね!」


ルフィの夢は海賊王になること。私の夢はそれを応援することになりつつある。それはルフィだからこそ、応援したくなるんだろうか。

目を閉じれば、今までの楽しかった冒険の日々が思い出される。それに今日の、この一瞬もその思い出になるんだろうな、なんて思っていると、ルフィは私をゆっくり抱きしめた。


「名前、おれの仲間になってくれてありがとな!」


不意に言われたその言葉。


「ル、ルフィ!?」

「名前が言いたいことは分かってる」


そう呟くと、ルフィは私を強く抱きしめる。


「うん。じゃあ、言わないでおこうかな」


私もそれに答えるようにギュッと強く抱きしめた。






(それと愛してるよ)


ありがとう/いきものがかり


▽20120203