「はぁ〜」
「あんま溜め息つかないでよ。こっちまで溜め息つきたくなるわ」
「幸せ逃げるぞ」
「分かってるけどさー、はぁ…」


窓から外を眺めて話す私達。私と話している二人とは幼なじみ。一人は茶髪の女の子、名前は堀京子。もう一人は赤髪の男の子で生徒会長をやっている仙石翔。二人のことなら何でも知っていると言えるほど仲がいい。


「何で溜め息なんてついてんのよ」


京ちゃんが口を開いた。それと同時に翔が私を見る。溜め息ついてる理由なんてくだらないことなんだよね、と思いつつ京ちゃんの質問に答えた。


「彼氏と別れたから…」
「………」
「………」
「ほらー、絶対そういう態度とると思った!」


遠い目をしながら私を見る二人の顔を交互に見ると、今度は翔が口を開いた。


「まぁ、また新しい人を探すしかないよ」


くっそー、翔には可愛い彼女がいるくせに。彼女のレミ可愛すぎるんだよ!


「男なんてそこら辺にたくさんいるわよ」


京ちゃんにも彼氏いるしなー。宮村という前は地味な奴が。


「うー、相手がいる二人に慰められると、何だかイラッとする」


すると京ちゃんが「何言ってんのよ」と怒鳴り始めた。あちゃー、やっちゃった。


「慰めてやってんのよ。感謝しなさい」
「きょ、京ちゃん!」
「仙石は黙ってなさい」
「はい…」


怒鳴り始めた京ちゃんを止めようとした翔は般若にやられてしまった。あ、般若っていうのは京ちゃんの怒った時の顔だから。


「絢、聞いてるの」
「うん…。ごめんなさい」


≫京ちゃんには逆らえない幼なじみ二人


▽20111118